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年末雑感(3)

2011年12月31日
今年のトップニュースといえばやはりなんといっても3月の震災に伴う福島原発の事故だろうと思う。あれほどもろい技術であったとはちょっと想像を超えていた。
話は大幅に飛んで40数年前にもどるが、昭和45年頃、自分は一人で静岡県の田子の浦の波止場に立っていた。海は赤く、泡がブクブクと上がっていた。製紙会社の排水で海が汚染されて腐りかけているのだった。いわゆる公害というやつで、何ともえらいことをするもんだと人間のやることに対して大きな不信感を抱いたものである。今は後片付けが進んだのかどうか、当時のようなことはないと思うが大変な手間がかかったことだろうと思う。
さて今回の原発事故はこれとは比べようもないほど大規模なもので、特にもとに戻るまでの時間のことを考えると気が遠くなる。被災された方々は突然全人生を狂わされたわけで、そのことを思うとかける言葉もない。やはり未完の制御技術であったというしかない。えらいことをしたものである。