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ラデク・バボラーク

松江にチェコ出身の天才ホルン吹きが来るというので聞いてきた。いやはや驚いた。あの動物の腸の様に長くて音がひっくり返る楽器をやすやすと、軽々と、美しく、小気味よく聞かせてくれました。40年も前のことしか知らないが、当時はデニスブレインというような伝説の名人がいてスパゲティを食った後すぐに協奏曲を録音したとかいうような逸話のみ見たり聞いたりして知る程度だったのだが、今回は目の当たりに何曲も続けて聞かされて、伝説が目の前に現実になった感じがした。今はどうか知らないが、当時少なくとも日本にはホルンだけでリサイタルができる人はいなかったと思う。すごい。音色も乾いた明るめの感じで、特に時たま発する破裂音が素晴らしく小気味よく、ホルン特有の息詰まる感じが感じられなかった。田舎でこのような天才を聞けるのもどうやらプラバホールの館長がもとホルン吹きだったからではないかと思われる。特別に呼んだのかな。それにしても人間の能力というのはどんどん限界を超えていくのだなあ。楽器がそれほど進歩するわけでもないだろうから。まだ30代半ばだからこれからまだまだ進歩するのだろうな。楽しみだ。ちなみにトランペットではフランスの炭坑夫出身のモーリスアンドレが当時お気に入りだったが、先日他界されたようだ。> 戻って、バボさんが使っていた楽器はドイツのマインツにあるアレキサンダー社製でチラシにはW-103と書いてあったが、HPでみるとロータリーバルブが表に3つ、しかし現物は4つ見えたので亜型か。HPによるとアレキサンダー社は6代続いている管楽器屋で親方(マイスター)と徒弟で厳しく技術を磨いて作られているとか。徒弟制度といっても今のドイツでどのようなシステムなのだろうか。マイスターも学校があって腐るほどいるらしいから。ま業種によってちがうのでしょうね。世襲の会社もこのような伝統技術の継承についてはいいことが多いのだろうなあ。