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松江城・猿の求愛

どうやら松江城が国宝に格上げされそうだ。
以前から関係者がいろいろ努力されていたらしいが、決め手になったのが500万円の懸賞付きで捜索に出されていた城の竣工の時の祈祷札2枚らしい。祈祷札には竣工の年号が書かれており、城の年代を特定するうえで貴重な証拠となるものであるらしい。なんでも札に開いている釘穴と城本体の穴がピタリ一致したとか。500万円の賞金はどうなったかというと、発見者が松江市の職員で勤務中であったため、なかったことになったらしく、幹部さんたちはほっと胸をなでおろしたとか。
その昔、世の中が今みたいに明るくなかった頃、どういうわけか洋館、興雲閣の近くに小さな動物園のようなものがあって、ニホンザルの小屋もあった。鉛色の冬空のもと、一時期この猿小屋を通り道にしていたことがあり、ずいぶんと足しげく通った。あるとき一匹の猿が自分のほうを見て口をパクパクするので自分もまねをして口パクパクをした。猿と人とのくちパクごっこである。
のちに何とか霊長類研究所の本を読んでいたら、猿の口パクは求愛行為と書いてあり、複雑な気分になった。あれはメス猿だったのだろうか。そこのところは記憶にない。