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猫に破願

聞くところによると、運悪く痴呆症になったとしても、相手の感情を認識する能力はかなり症状が進んでも残るらしい。 脳みそがかなり劣化しても、顔面の表情、つまり目や眉、口の形、配列によって相手方の気持ちの有り様を判定する能力は残るというわけだ。介護施設などで老人に対応するのに顔の表情が重要なポイントだということ。 そこでまずは鏡に向かって飛び切りの笑顔を作ってみるが、とても気持ち悪くて耐えられない。 次に飼い猫向かって、思い切り破願、にっこり、目はあくまでも細く垂れ下がり、口は歯むき出しで大きく口唇を左右に引き、にっこり・・・ 飼い猫は見たところ、敵意は感じていないようだが、どう対応していいかわからないような表情だ。 猫に顔面配列から相手の感情を認識する能力があるか否か、今のところ不明である。 因みに自分の今の飼い猫の能力に対する評価は低いが、一つだけ高得点をつけている点がある。 それは、空間に対する認知能力と、記憶力である。 内の馬鹿猫にも我が家の隅々まで、どこに何があるという3dデータが、どうやら正確にインプットされているらしい。たまに新しい空間データ、たとえばお土産の大袋などが来ると、頻りと顔を突っ込んで点検を開始する。 猫は脳みその空間を認識する部位が発達しているのであろうか。 勝手な同居人(猫)は案外気楽な同居人である。餌さえ適当にやっておれば、なんとか関係が保てる。